よりよい明日を創出する社会イノベーション

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モーター(誘導電動機)で創業した日立製作所の歴史は、パワープラント、建設機械、鉄道から医療・化学、生活家電と幅広い分野における輝かしい技術イノベーションに彩られていますが、社会イノベーションによって世界を変革する未来をも見据えています。

社会イノベーションとは、主にモノのインターネット (IoT)、ビッグ データ、高度なアナリティクスといったテクノロジーを利用して生活の質を高めるソリューションの創出を意味します。日立製作所では、この 3 つの強力なテクノロジー ツールに集中的に取り組むことで、急速に進む高齢化、非効率な交通システム、水をはじめとする天然資源の不足など、世界的な社会問題の解決に貢献しています。

製品開発のその先へ

日立製作所の IT ビジネス サービス本部長である田中誠司氏は、この全社的方針を実現可能な戦略に落とし込み、実施するという困難な課題に取り組んでいます。この課題を複雑にしているのは、田中氏が管轄する業務の幅広さです。田中氏は語ります。「IT ビジネス サービス部門は、日立製作所と日立グループ全体、および全世界の関連企業にサービスを提供します。その規模は864 社、従業員数は 303,887 人にものぼります。」

日立製作所はさまざまな事業を展開しているため、IT ビジネス サービス部門の取り組みのすべてをグローバルな視点で検討する必要があります。「現在は、たとえば Exchange メール サービスを全世界に拡張するプロジェクトや、世界中の事業所から仮想コンピューティング リソースにアクセスできるようにするプロジェクト、クラウド接続環境を改善するプロジェクトなどが進行中です。」

社会イノベーションには大きなビジネス チャンスがある一方で、それを活用するには従来とは異なる複雑な見方で市場を捉える必要があると、田中氏は考えています。特に、視野を製品開発以外にも広げる必要があります。「テレビやエアコンは、適正な価格で提供すれば売れるはずです。しかし、市場のグローバル化が進むなかで、社会に対する意識向上と積極的な参加が重要になってきました。つまり、単なる製品開発ではなく、全世界のすべての人に安定した質の高いサービスを提供できるネットワークを構築することが求められています。」

社会インフラの確立

日立製作所が社会イノベーションに取り組む背景には、企業と社会の関係性を再定義するという業界全体のトレンドがあります。学校、大学、病院、コミュニティ住宅などの社会サービスを提供するために必要なインフラ資産を、一般的に社会インフラと呼びます。田中氏は、社会インフラを構築するうえで IT が重要な役割を果たすと考えています。「情報処理と製造の分野における日立の技術ノウハウを集約すれば、社会イノベーションの基盤を作り上げることができます。」

具体的には、どのようなものでしょうか。「この種のビジネスを支える IT システムには、非常に高い柔軟性が欠かせません。重要なのはエコシステムであり、パブリック クラウド サービスとプライベート クラウド サービスが統合された Software-Defined Data Center 環境はこの目的に最適と言えます。」

エコシステムの構築には、パートナーが不可欠です。「私たちの職務は、世界規模の信頼できるプロバイダーやパートナーの協力を得ながら、このような革新的ビジネスを推進し、弊社の目標を実現に近付けることです。」

IoT で社会イノベーションを加速する

IoT が世界を劇的に変えるという予測は多数発表されています。アナリストは、2025 年までに IoT デバイスの数が 754 億台に達すると予想しています [1]。これは地球全体の人口よりもはるかに多く、膨大な量の情報が生み出されることになります。この膨大なデータには貴重な情報が含まれていますが、それを活用して社会イノベーションのビジョンを実現するには、データを首尾一貫した形で融合する必要があります。「技術的にもっとも困難なのは、情報処理部門と製造部門のデータを含む全社内データを統合して、社内のイノベーションに活用することです。」

IoT の可能性を活用しようとする企業は、IoT ソリューションの開発が非常に複雑であるという問題に直面します。必要な専門技術やノウハウを社内に持っているのは、ごくわずかなグローバル企業だけです。ほとんどの企業は、外部に支援を求めることになります。日立製作所ではその需要に合わせて、IoT コア プラットフォームの Lumada を発表しました。これは、ビッグ データ処理と高度なアナリティクスを幅広いパートナー エコシステムに融合させるプラットフォームです。

日立製作所の IT の未来はどのようなものになるのでしょうか。田中氏は、やはり社会イノベーションが中心になると考えています。「日立製作所の IT テクノロジーを利用して社会イノベーションに貢献することは、私たちにとって大きな挑戦となります。社内でデータを活用してイノベーションを進めると同時に、情報サービスを社外に提供すること。それが必ず求められることになるでしょう。」

1. Statista 社: 『Internet of Things (IoT) connected devices installed base worldwide from 2015 to 2025 (in billions)

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