NVIDIA はあらゆる業界で、人工知能(AI)ソリューションのリーダーとして認知されています。また、VMware テクノロジー アライアンス パートナー プログラムの戦略的パートナーであり、VMware Partner Connect プログラムのアドバンスト パートナーでもあります。

 

多くのデータセンターで VMware vSphere® が採用されているため、NVIDIA と VMware は、幅広いソリューションを開発するために最適なパートナーです。現在は共同で、ハイパフォーマンス コンピューティングやスーパーコンピューティング用のソリューションを提供しており、最近では AI 向けのソリューションも開発しています。

 

パートナーシップの歴史

 

両社はともにテクノロジー リーダーであり、長年にわたって協力関係を築いてきました。NVIDIA では Don Bradley 氏の率いる戦略的アライアンス チームが、VMware と連携して業務を行っています。Bradley 氏は次のように述べています。「このパートナーシップが生まれたきっかけは、VMware の VDI デスクトップ ソリューションを、当社の仮想 GPU 技術で高速化したことでした。現在ではこのパートナーシップの結晶として、NVIDIA AI Enterprise ソフトウェア スイートを、VMware vSphere with VMware Tanzu™ で独占的に提供しています。」この新しいサービスは、NVIDIA と VMware の画期的なパートナーシップによる成果であり、企業が AI を導入する際の障壁を取り除きます。

 

NVIDIA と VMware は密接に連携しており、合同のエンジニアリング チーム、製品管理チーム、製品マーケティング チームが定期的にミーティングを行って、共同開発製品の開発、提供、販売を進めています。Bradley 氏は、「当社と VMware は CEO からエンジニアリング部門に至るまで、密接な連携を維持しています。」と述べています。

 

NVIDIA はまた、VMware と連携して、vSphere を基盤とするプラットフォーム NVIDIA Omniverse™ Enterprise も提供しています。このプラットフォームでは、クリエイター、デザイナー、研究者、およびエンジニアが、物理的に正確なリアルタイムのシミュレーションを活用してコラボレーションし、3D デザインを行うことができます。VMworld 2021 では、BMW グループが、Omniverse Enterprise を利用して、仮想環境のデジタルツイン工場を紹介しました。

 

NVIDIA は VMware の Project Monterey に参画している主要なパートナーの 1 社でもあります。これは、企業が求める最新のクラウドネイティブ アプリケーションをデータセンターでサポートするという、VMware のビジョンを体現したプロジェクトです。NVIDIA の VMware 担当 Alliance Director である Tony Kuo 氏は次のように述べています。「これはお客様にとって、従来とは根本的に異なるデータセンターの管理運用方法であり、企業が求める革新的アプリケーションに最適なビジョンです。」

 

AI を企業にとって身近なものに

 

多くの組織が、すでに広く採用されているユースケースからヒントを得て、AI の最適な活用方法を見極めようとしています。NVIDIA の Senior Director of Product Marketing, Enterprise を務める Anne Hecht 氏は次のように語っています。「AI はあらゆるものをより良く、よりスマートにしています。最近では、小売サイトでのおすすめ商品のパーソナライズや、カスタマー サービスのチャットボット、人材採用における優秀な応募者の選抜、運用の信頼性を高めるための予測型メンテナンス、サイバーセキュリティや不正検知の強化などに、AI が利用されています。」

 

しかし AI を導入するためのインフラストラクチャの実装は複雑であるため、作業の中心となる「AI 担当者」と「IT 管理者」のそれぞれが抱える課題を解決するためのソリューションが求められています。AI 担当者は、Kubernetes コンテナを利用したクラウドネイティブな環境で作業したいと考えていますが、その環境をセットアップする知識を持ち合わせていません。そのようなインフラストラクチャを構築するのが IT 管理者の役割りですが、Kubernetes の実装は複雑で、専門知識の習得が追い付いていないことがあります。

 

vSphere with VMware Tanzu 上で動作する NVIDIA AI Enterprise ソフトウェア スイートは、そうした複雑さを解消してくれるため、ハイブリッドクラウド向けの AI ワークロードの開発や展開がはるかに容易になります。このクラウドネイティブなソリューションは、AI 担当者が日常的に使用しているツールを採用し、IT 管理者にとって馴染みのある vSphere 環境で構築できます。このソリューションは、オンプレミス、ハイブリッドクラウド、プライベートクラウドのいずれの環境でも実装できるため、企業はクラウドのコストを抑えつつ、規制の厳しい業界特有の問題にも対処できるようになります。

 

患者ケアの改善とデータセンターの統合

 

NVIDIA AI Enterprise on vSphere の利用により、AI の革新的なユースケースが生み出されています。たとえば、あるブログ記事では、世界でトップクラスのがん研究治療センターであるオランダがん研究所(NKI)が、高解像度画像を使用して AI モデルのトレーニングを行い、がん性腫瘍の大きさや位置を検出している様子が紹介されています。この技術により、臨床医は患者の治療時に腫瘍の位置を正確に把握することができます。

 

多くのお客様は、この AI 対応の共同プラットフォームを利用して、リソースの統合や活用の方法を改善しています。企業では、あるチームがオンプレミスのインフラストラクチャを購入したものの、それを他のチームにプロビジョニングできないことがよくあります。すべてのインフラストラクチャを仮想化すれば、組織のリソースを仮想プールに統合し、AI 担当者のニーズや利用可能なリソース量に応じて仮想マシンやツールをプロビジョニングすることが可能になります。この方法なら、なにも無駄になることはありません。

 

ある大規模な医療機関では、NVIDIA AI Enterprise を採用して、この統合と活用のユースケースを実現しました。この医療機関には、病院や診療所と連携している複数の研究施設があり、それぞれが独自の技術やシステム構築に投資して、AI アプリケーションの開発や運用を行っていました。そこで、AI Enterprise ソフトウェア スイートを使用して、複数のデータセンターを 1 つの環境に統合しました。その結果、利用率が高まったほか、データセンターが統合されたことにより、新しい機能やソフトウェアを入手するためのアップグレードを速やかに行えるようになりました。

 

ピサ大学の調査によれば、VMware テクノロジーによって仮想化された共同ソリューションを実行するインフラストラクチャ上でのパフォーマンスは、ベアメタル インフラストラクチャ上とほぼ同じでした。

 

AI のテストがかつてなく容易に

 

NVIDIA では、AI Enterprise ソフトウェア スイートを VMware 環境で簡単に試せるよう、ホスト型のトライアル環境である NVIDIA LaunchPad を提供しています。LaunchPad には、AI 担当者や IT 管理者向けに、一般的な AI のユースケースを集めた 4 つのラボが用意されており、チャットボットの構築、レコメンデーション エンジンの開発、画像の分類、IT に関する問い合わせの分類を行うことができます。1 つのラボにかかる時間は約 8 時間で、トライアルは 2 週間利用できます。

 

NVIDIA について

 

VMware と NVIDIA のパートナーシップや、VMware vSphere with VMware Tanzu での NVIDIA AI Enterprise ソフトウェア スイートのような共同ソリューションがもたらす価値について、ぜひ詳細をご覧ください。

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