概要
リモート オフィスと支社の管理
リモート オフィスや支社(ROBO)において、少数のワークロードを少数のサーバで実行している企業は少なくありませんが、これらのリモート オフィスと支社に対する IT サポートの提供には、現地の IT スタッフの不足、ホスト構成の不統一、限られた予算やスペースなど、固有の課題があります。vSphere Remote Office Branch Office(ROBO)を利用すると、現地の IT スタッフが少人数であっても、あるいは存在しなくても、リモート オフィスや支社を管理できます。仮想化によるサーバの迅速なプロビジョニング、ホストの構成エラーの抑制、コンプライアンスに関する視認性の向上を、複数のサイトにわたって実現できます。
機能

暗号化によるデータ保護

効率的なサーバ メンテナンス
vSphere ROBO では、Distributed Resource Scheduler(DRS)のメンテナンス モードを使用してリモート ホストのメンテナンスを容易に実行できます。メンテナンスのためにサーバをオフラインにするとき、仮想マシンは自動的にほかのサーバに移動され、メンテナンス後に元のサーバに戻されます。メンテナンスは中央の IT 部門からリモートで実行できます。

ワークロードのライブ マイグレーション
vSphere vMotion を利用することで、ダウンタイムを発生させることなく、実行中の仮想マシン全体を物理サーバ間で移動できます。仮想マシンはネットワーク ID と接続状態を保持するため、シームレスな移行プロセスが可能です。仮想マシンのアクティブなメモリと正確な稼動状態を高速ネットワーク経由で転送するため、移行元の vSphere ホストで実行中の仮想マシンを、移行先の vSphere ホスト上で即座に実行できます。このプロセスにかかる時間は、ギガビット イーサネット ネットワークで 2 秒未満で、この機能は、仮想スイッチ間でも、vCenter Server 間でも、さらに長距離を隔てても実行できます。

仮想マシンとデータの保護
vSphere Data Protection は、エージェントを使用せずにイメージ レベルで仮想マシンをディスクにバックアップします。また、ビジネスクリティカルな Microsoft の基幹アプリケーション(例:Exchange、SQL Server、SharePoint)を認識して保護することが可能なほか、暗号化されたバックアップ データを WAN 経由で効率的にレプリケートすることができます。主な機能として、可変長重複排除、アプリケーションを認識したバックアップ、ワンステップ リカバリ、緊急時のホストへの直接リストアなどがあります。

システムの連続稼動時間の維持
vSphere High Availability(HA)は、仮想環境内のハードウェアやオペレーティング システムの障害に対し、費用対効果に優れた統合的なフェイルオーバー機能でダウンタイムを最小限に抑えます。ホストと仮想マシンを監視し、障害が検出されると、クラスタ内の別のホスト上で仮想マシンを自動的に再起動するほか、HA を使用すれば、アプリケーションやゲスト OS に変更を加えることなく、すべてのアプリケーションを一貫した方法で自動的に保護できます。

データセンターのリソースの共有
vSphere Content Library を利用することで、仮想マシン テンプレート、vApp、ISO イメージ、スクリプトを 1 か所で管理できます。コンテンツをライブラリの形に整理し、各ライブラリを独立に設定して管理できます。ライブラリが作成されると、vCenter Server の境界をまたいでコンテンツを共有し、データセンター全体で一貫性を確保できます。仮想マシン テンプレートをホストやクラスタに直接配置できるため、一貫性のあるプロビジョニングが可能です。

迅速な展開とプロビジョニング
ホスト プロファイルには、vSphere ホスト間で共有する構成設定が格納され、1 つ以上の vSphere ホストまたはクラスタにアタッチできます。ホストの構成はホスト プロファイルと比較され、差異があった場合は報告されるため、構成エラーを自動的に修正できます。ホスト プロファイルを一度作成すると、Auto Deploy と組み合わせて、複数の vSphere ホストの展開やプロビジョニングを迅速に行うことができ、専用のスクリプトや手動による構成が不要になります。