VMware Consolidated Backup 1.5 リリース ノート
VMware Consolidated Backup 1.5 | 2008 年 7 月 25 日 | ビルド 102898
最新アップデート: 07/25/2008 本リリース ノートに対する追加情報およびアップデートを適宜確認してください。 |
リリース ノートの概要
リリースノートのこのバージョンは、VMware Consolidated Backup バージョン 1.5 に対応しています。このドキュメントには、次のトピックが含まれています。
新機能
このセクションでは、VMware Consolidated Backup バージョン 1.5 での最近の改善点について説明します。
- SSPI 認証
- レジストリへのパスワードの保存
- ホットアド転送モード
- VSS による静止
- LAN モードでのイメージレベルのバックアップの高速化
- 新しいバックアップ ソフトウェアのサポート
- Windows Server 2008 プロキシのサポート (試験的サポート)
SSPI 認証
Consolidated Backup が VirtualCenter に接続するように構成されている場合は、SSPI を使用して認証が行えるようになりました。SSPI を使用すると、 config.jsにプレーン テキストでパスワードを保存しておく必要がありません。
レジストリへのパスワードの保存
Consolidated Backup のこのリリースでは、認証に SSPI を使用しない、または使用できない場合は、パスワードを config.jsではなく、レジストリ内に保存できます。
ホットアド転送モード
Consolidated Backup では、ホットアド転送モードが用意されています。この転送モードは、Consolidated Backup が仮想プロキシで使用されている場合に使用できます。データの移動に ESX I/O スタックを使用するため、ホットアドは LAN 転送モードよりも効率的です。ホットアドを使用する前に、『仮想マシン バックアップ ガイド』を参照して次のロールを構成してください。VMware Consolidated Backup ユーザーおよび VMware Consolidated Backup プロキシ。
VSS による静止
Consolidated Backup は、Windows Server 2003、Vista、および Windows Server 2008 仮想マシンをバックアップする際、ESX Server 3.5 U2 ホストの静止に VSS を使用するようになりました。この機能を使用するには、仮想マシンに、更新された VMware Tools の一部である VSS コンポーネントがインストールされている必要があります。ツール内の VSS コンポーネントは、Windows Server 2003 仮想マシンではアプリケーション レベルの静止を、Windows Vista および Windows Server 2008 仮想マシンではファイル システム レベルの静止を実行します。
Consolidated Backup は、ESX Server 3.5 U2 より前のホストでは引き続き SYNC ドライバを使用して静止を実行します。
LAN モードでのイメージレベルのバックアップの高速化
LAN モードでの fullvm バックアップが改善され、大部分のディスクに対する LAN モードでのイメージレベルのバックアップが高速になりました。この改善により、部分的に空のディスクまたは書き込みが行われたことのない領域があるディスクと同様に、ゼロ領域を持つディスク(つまり、転送するデータが少量)のセクタ転送が最適化されます。
新しいバックアップ ソフトウェアのサポート
VMware の統合モジュールを使用すると、Consolidated Backup で次のバックアップ ソフトウェアがサポートされます。
- IBM Tivoli Storage Manager 5.4
- Legato NetWorker 7.4
- Symantec Backup Exec 11d, 12
- Symantec NetBackup 6.0
多くのバックアップ ソフトウェア ベンダーは、自社のアプリケーションで Consolidated Backup が活用できるようにするための独自に統合を行なっています。
Windows Server 2008 プロキシのサポート (試験的サポート)
Consolidated Backup は、物理プロキシまたは仮想プロキシでの Windows Server 2008 を試験的にサポートしています。
解決した問題
このリリースでは、多数の重大な問題が修正され、Consolidated Backup のパフォーマンス、信頼性、および堅牢性が全般的に改善されました。解決した最も重要な問題を次に示します。
- ディスク リースの更新の再試行
- ディスク リース権限
- サーバ接続解除時の vcbMounter のクラッシュ
- Vista、Windows Server 2008 からの SYNC ドライバのアンインストール
ディスク リースの更新の再試行
SAN モードでのバックアップ実行時に、Consolidated Backup は、必ず必要な最大タイムアウト時間内に少なくとも 1 回はリース更新が行われるようにするために、数秒ごとにディスク リースを更新します。ディスクリースの更新を最大タイムアウト時間内に実行できなかった場合、Consolidated Backup は、全体の処理を失敗させるのではなく、最大 5 回の再取得を試みます。ディスク リースの再取得に成功すれば、処理は引き続き行われます。
VirtualCenter のルート オブジェクト ツリーではディスク リース権限は不要である
以前のリリースでは、VirtualMachine.Config.DiskLease 権限が Consolidated Backup を使用してバックアップされる仮想マシンにのみ割り当てられていて、VirtualCenter のオブジェクト ツリーのルートには割り当てられていない場合、SAN モードでのバックアップに失敗することがありました。このリリースでは、VirtualMachine.Config.DiskLease 権限の割り当てが必要なのは、Consolidated Backup を使用してバックアップされる仮想マシンだけです。
サーバ接続解除時の vcbMounter のクラッシュ
以前は、マウント操作時に、プロキシで ESX または VirtualCenter サーバへのネットワーク接続が失われると、vcbMounter プロセスがクラッシュするという異常が発生することがありました。この動作は修正され、ネットワーク接続が失われた場合も適切に処理され、失敗として正常に取り扱われます。
Vista、Windows Server 2008 からの SYNC ドライバのアンインストール
VMware Tools の以前のバージョンのインストール時に、サポート対象外のオペレーティング システム (Windows Vista および Windows Server 2008) に SYNC ドライバをインストールしていました。VMware Tools を ESX Server 3.5 U2 に含まれるバージョンにアップグレードする際には、SYNC ドライバが存在する場合はアンインストールされます。
ESX Server、VirtualCenter、およびVMware Consolidated Backupの互換性
VMware Consolidated Backup とともに使用する ESX Server および VirtualCenter のバージョンを選択する際は、次の点を考慮してください。
- Consolidated Backup 1.5 は、VirtualCenter 2.0.1 P1 およびそれ以降が管理する ESX Server 3.0.2 およびそれ以降のバージョンと互換性があります。
- Consolidated Backup 1.0.2およびConsolidated Backup 1.0.3はVirtualCenter 2.5に対応していません。この問題を解決するために、これらのバージョンのConsolidated Backup用のパッチを提供しています。
- VirtualCenter 2.5とConsolidated Backupは同一システム上に共存できます。ただし、Consolidated Backup プロキシは可能なかぎりロック ダウンする必要があるため、このような環境はお勧めしません。
既知の問題点
Consolidated Backupのこのリリースの既知の問題を次に示します。
- Consolidated BackupおよびStorage VMotionは相互排他的である
- Windows Server 2003 にはデフォルトでは VSS はインストールされない
- Vista および Windows Server 2008 にはデフォルトでは VSS はインストールされない
- VSS による静止に失敗する
- ホットアドに失敗し、「新しいディスクのデバイス ノードを検出できない」というメッセージが表示される
- ホットアドに失敗し、「SCSI ターゲット ID の割り当てに失敗した」というメッセージが表示される
- ホットアド転送モードを使用するプロキシ仮想マシンがパワーオンに失敗する
- バックアップに失敗し、「仮想マシンのマウントにはホットアド転送は使用できない」というメッセージが表示される
Consolidated Backup および Storage VMotion は相互に排他的である
Consolidated Backup の処理は仮想マシンのスナップショットに影響し、一方 Storage VMotion はスナップショットを使用して仮想マシンに操作されないため、Consolidated Backup でのバックアップ中に仮想マシンを移行することはできません。
Storage VMotion 側では、移行する仮想マシンのスナップショット操作を無効にします。そのため、Consolidated Backup を使用して、そのような仮想マシンをバックアップしようとすると、 使用しているリソースのエラーが発生してバックアップに失敗します。
ESX 3.5 U2 での VMware Tools のアップグレード時に、Windows Server 2003 にはデフォルトでは VSS がインストールされない
ESX Server 3.5 U2 では、VSS を使用する静止をサポートしています。ただし、Windows Server 2003 仮想マシンでの VMware Tools アップグレード時には VSS コンポーネントはインストールされません。次に示すように、VI Client で対話型ツールを行うことによって、手動で VSS コンポーネントをインストールできます。
- VMware Tools インストーラで、[ 変更] - [ ドライバ] - [ VSS] を選択します。
- インストール プロセスを完了します。
- 仮想マシンを再起動し、VSS コンポーネントのインストールと実行を有効にします。
Vista および Windows Server 2008 にはデフォルトでは VSS はインストールされない
ESX Server 3.5 U2 では、VSS を使用する静止をサポートしています。ただし、Windows Vista 仮想マシンおよび Windows Server 2008 仮想マシンには、デフォルトでは VSS コンポーネントはインストールされません。次に示すように、VI Client で対話型ツールを行うことによって、手動で VSS コンポーネントをインストールできます。
- VMware Tools CD がマウントされているドライブで、 redistフォルダを探します。
- vcredist_x86.exe(64 ビットのオペレーティングシステムでは vcredist_x64.exe)をインストールします。
- VMware Tools インストーラで、[ 変更] - [ ドライバ] - [ VSS] を選択します。
- インストール プロセスを完了します。
- 仮想マシンを再起動し、VSS コンポーネントのインストールと実行を有効にします。
VSS による静止に失敗する
VSS による静止に失敗すると、Consolidated Backup はマウント処理を完了できなくなります。システムおよびアプリケーションのイベントログを確認して静止に失敗した理由を特定し、問題を修正するのに必要な手順を実行します。
Consolidated Backup では、VSS コンポーネントをアンインストールすると、静止に SYNC ドライバを使用するようデフォルトで設定されます。VSS コンポーネントのアンインストール手順は次のとおりです。
- Windows オペレーティングシステムで、[ コントロールパネル] - [ プログラムの追加と削除] - [ VMware Tools] に移動します。
- [ 変更] をクリックして、[ 変更] - [ ドライバ] を選択します。
- [ VSS] オプションの選択を解除し、インストールウィザードを完了します。
ホットアドに失敗し、「新しいディスクのデバイス ノードを検出できない」というメッセージが表示される
アプリケーションによっては、ゲスト OS に仮想アダプタをインストールするものがあります。Consolidated Backup には、マウント処理時に、プロキシ仮想マシンで実行中のマシンに追加(またはホットアド)されたディスクを検出する機能がありますが、こうした仮想アダプタはその機能を妨げる場合があります。ホットアドのマウント処理中に、「新しいディスクのデバイス ノードを検出できない」 というエラーが発生した場合は、Windows のデバイス マネージャで、LSI Logic または Buslogic 用以外の SCSI コントローラがインストールされていないかを確認してください。
ホットアドに失敗し、「SCSI ターゲット ID の割り当てに失敗した」というメッセージが表示される
Consolidated Backup は、マシンの実行中に追加 (または ホットアド) されるバックアップ仮想マシンから、SCSI ターゲット ID をディスクに割り当てます。プロキシ仮想マシン内のすべてのターゲット ID が使用中である場合、マウント処理は失敗し、次のようなエラーメッセージを表示します:「SCSI ターゲット ID の割り当てに失敗しました。」。Consolidated Backup はマシンの実行中に SCSI コントローラを追加することはできないため、プロキシ仮想マシンをパワーオフにして SCSI コントローラを追加する必要があります。プロキシ仮想マシンは、最大 4 つの SCSI コントローラで構成できます。4 つを超えて追加するには、ディスクを追加し、VI Client を使用して新しい SCSI コントローラにターゲットを割り当ててください。
ホットアド転送モードを使用するプロキシ仮想マシンがパワーオンに失敗する
ホットアド マウント処理中は、Consolidated Backup はバックアップ仮想マシンのスナップショット ディスクを、プロキシ仮想マシンに接続します。ホットアド アンマウント処理中には、Consolidated Backup はバックアップ仮想マシンのスナップショット ディスクを、プロキシ仮想マシンから削除します。アンマウント処理が手動で行われた場合(たとえば、バックアップ仮想マシンのスナップショットが手動で削除されるなど)、その処理によってプロキシ仮想マシンにまだ接続されているディスクが無効にされる可能性があります。その結果、プロキシ仮想マシンのパワーオンは失敗します。VI Client を使用して、プロキシ仮想マシンを手動で再構成し、もとは属していなかった仮想マシンに接続されているディスクをすべて削除する必要があります。障害となっていたディスクを削除すると、マシンをパワーオンすることができます。プロキシ仮想マシンでのアンマウント処理に Consolidated Backup を使用すると、このような状況を避けることができます。
バックアップに失敗し、「仮想マシンのマウントにはホットアド転送は使用できない」というメッセージが表示される
ホットアド転送を使用して、マッピングされた Raw LUN を持つ仮想マシンのバックアップを物理互換モードで実行すると、バックアップは失敗し、次のようなエラーメッセージが表示されます:「仮想マシン [vm name] のマウントにはホットアド転送は使用できません。(Cannot use hotadd transport to mount virtual machines with independent disks.)」。