VMware Workstation 9.0 リリース ノート
VMware Workstation 9.0 | 2012 年 8 月 23 日 | ビルド 812388 これらのリリース ノートへの追加や更新を頻繁に確認してください。多くの場合、英語版が最新バージョンです。 |
これらのリリース ノートの内容は次のとおりです。
新機能
VMware Workstation 9 には、仮想マシンが PC またはプライベート エンタープライズ クラウドのどちらに存在するかに関係なく、技術プロフェッショナルによる仮想マシンの操作方法を変革する最良の Windows 8 サポートと画期的な新機能が装備されています。
- Windows 8
- グラフィックの改善
- Linux ゲスト用の OpenGL
- 制限付き仮想マシン
- WSX
- vSphere からの仮想マシンのダウンロード
- USB 3.0
- ネストされた仮想化
- Hyper-V
- 仮想パフォーマンス カウンタ
- リモート処理の改善
- ディスク クリーンアップ
- クイック スイッチ II
- サムネイル アクション
- 保存されたフィルタ
- VMware Player
Windows 8
Workstation 9 は、Windows 8 で動作し、Windows 8 の仮想マシンを実行するように設計されています。簡易インストールは、Windows 8 を認識するように拡張されました。Workstation 9 は、Windows 8 ユーザー インターフェイス(以前は Metro と呼ばれていた)をサポートするように拡張されました。キーボード上の Windows キーを押すだけで、Metro と Windows デスクトップ間の切り替えを行うことができ、ユニティにより Metro インターフェイスがインテリジェントに処理されます。また、Workstation 9 には、Windows 8 タブレットの Workstation で動作する Windows 8 Metro インターフェイスを駆動するためのマルチタッチ サポートも含まれています。
グラフィックの改善
Workstation 9 のグラフィック仮想化インフラストラクチャに大幅な変更が加わりました。これには、ハードウェア アクセラレーションなしで 3D を Windows 8 でレンダリングできるディスプレイ専用のグラフィック ドライバ、AutoCAD や SolidWorks などのグラフィック アプリケーションのレンダリングをすばやく正確に行えるようにするための改善、Windows XP のグラフィック ドライバの改善とパフォーマンス向上のための基本的な変更が含まれ、将来的にはさらに高度なグラフィック機能も可能です。
Linux ゲスト用の OpenGL
OpenGL グラフィック ドライバが開発され、X.Org にアップストリームされました。これにより、VMware カスタマは、VMware ツールをインストールしなくても現在の Linux ディストリビューションで新しいグラフィック機能を使用できます。このドライバを含む X.Org のバージョンは、他の新しい Linux ディストリビューションとともに Ubuntu 12.04 に付属しています。Workstation 9 には、Linux 仮想マシンで OpenGL グラフィックをレンダリングする際の全体的な速度と精度を改善するための機能強化が仮想グラフィック デバイスに含まれています。
制限付き仮想マシン
この新機能を使用すると、暗号化された仮想マシンの作成者は、ユーザーが仮想マシンの設定を変更する場合に追加のパスワード入力を求めることができます。これにより、IT 担当者や教育機関がその従業員および生徒によって使用される仮想マシンを作成する場合に、共有フォルダの有効化、ファイルのドラッグ アンド ドロップ、USB デバイスの接続、システム リソースのオーバーコミットなどの操作をこれらのユーザーに対して禁止することができます。制限付き仮想マシンは、Windows、Linux または Mac PC 上の VMware Workstation 9、VMware Player 5、VMware Fusion 5 で実行できます。
WSX
WSX は、追加のアプリケーションまたはブラウザのプラグインをインストールせずに、タブレットの Web ブラウザ、スマート フォンまたは PC 経由で共有仮想マシンにアクセスできるようにする、新しい VMware Workstation Web インターフェイスのプロトタイプです。このサービスは、Workstation ホストに接続できる HTML5 Web ページのレンダリングや、使用可能な共有仮想マシンのエミュレートを行い、それら仮想マシンのパワーオンおよびデスクトップとの対話を可能にします。VMware Workstation 9.0 とともに、Windows の .msi および Linux の .bundle をダウンロードして、インストールすることができます。
WSX は現在、本番環境ではサポートされていません。大量のデバイスおよびブラウザが市場に出回っているため、この機能がすべての環境で動作することを完全にテストするのは非常に困難です。
この機能には、WebSockets で HTML5 をサポートする最新のブラウザが必要です。PC では Google Chrome 17 ブラウザ、Mac OS ホストと iPad では Apple Safari 5 ブラウザを使用することをお勧めします。この機能は現在、Microsoft Internet Explorer 10 で問題があります。他のブラウザおよび最新バージョンの Google Chrome がインストールされている Ice Cream Sandwich が実行されている Android タブレットでは、WSX が動作する場合もありますが、さらにテストが必要です。
vSphere からの仮想マシンのダウンロード
Workstation 8 では、仮想マシンを vSphere にアップロードできるようなりました。Workstation 9 では、仮想マシンをリモート ホストから仮想マシン ライブラリの「マイ コンピュータ」セクションにドラッグすることによって、仮想マシンを vSphere からダウンロードできます。
USB 3.0
Workstation 9 では、Windows 8 仮想マシンへの USB 3.0 デバイスの接続をサポートしています。最新のポータブル デバイスは、データの高速転送を行うために USB 3 (SuperSpeed) を使用しています。ポータブル ストレージ デバイスやビデオ装置などの USB 3.0 デバイスは、筐体内ドライバである USB 3.0 コントローラを含む、Windows 8 および Linux の仮想マシンに直接接続できます。
ネストされた仮想化
Workstation 9 では、仮想 Intel VT-x/EPT または AMD-V/RVI 拡張機能の実装が改善されました。これにより、ESX をゲスト OS として実行したり、ESX でネストされた 64 ビットのオペレーティング システムを実行したりして、システム リソースの消費を抑えることができます。
注: Workstation 8 で実行されている仮想マシンで仮想化拡張機能を有効にした場合は、拡張機能を無効にし、仮想マシンを最新バージョン(Workstation 9 と互換性がある)にアップグレードしてから、拡張機能を再び有効にしなければならないことがあります。
Hyper-V
Workstation 9 のゲスト OS リストに Hyper-V が追加されました。これにより、Hyper-V が有効になっている Windows 8 を実行したり、Hyper-V Server をインストールしたりできます。これは、教育目的またはプロトタイプのハイブリッド クラウドの構築に使用できます。この機能は、 サポートされておらず、今後もサポートされる予定はありません。Microsoft 社はハイパーバイザーのネストをサポートしていないため、この構成で発生する問題を VMware で修正するのは不可能でないにしても非常に困難です。したがって、この機能の実装の目的は実装が可能であることを単に確認することにすぎません。
注意: 本番環境では、仮想マシンで HYPER-V を実行しないでください。
仮想パフォーマンス カウンタ
VMware の仮想プロセッサに仮想パフォーマンス カウンタを有効にする機能が含まれ、仮想マシンで Intel の vTune などのプロファイル アプリケーションを開発者が実行できるようになりました。
リモート処理の改善
VNC クライアントを使用する Workstation 9 で実行されている仮想マシンへのリモート接続、または vSphere で実行されている仮想マシンのデスクトップとの Workstation からのやり取りが、大幅に改善されました。
ディスク クリーンアップ
仮想マシンは、ハード ドライブの大量の領域を消費します。Workstation 9 には、ディスク領域を簡単に復旧できる新しい管理オプションが含まれています。
クイック スイッチ II
以前のバージョンの VMware Workstation には、実行中の仮想マシンの切り替えを簡単にできるタブを画面上部に表示する「クイック スイッチ」と呼ばれる表示モードが含まれていました。Workstation 8 ではこの機能が削除されましたが、お寄せいただいたご意見により同様の機能を導入することになりました。Windows では、ホスト タブがフル スクリーン ツールバーに含まれています。
サムネイル アクション
タスク バーでの仮想マシンの表示に、電源状態を変更するコントロールが追加されました。
保存されたフィルタ
Workstation 9 では、仮想マシン ライブラリの最近の検索がフィルタとして自動的に保存され、次回に Workstation を実行するときにそれを簡単に適用できます。
VMware Player
仮想ハードウェアのすべての改善に加え、VMware Player ユーザー インターフェイスが抜本的に改良されました。ユーザー インターフェイスは Windows の標準に準拠し、メニューは更新され、ツールバーは通常モードおよびフル スクリーン モードの Workstation に一致するようになり、デバイス アイコンの追加および他の改善が行われました。
また、VMware Player を営利目的に使用できるようになりました。VMware Player 5 の商用ライセンスは VMware Fusion 5 Professional に含まれており、お客様は 1 つのライセンス キーを使用して、Windows または Linux PC および Mac で仮想マシンを実行できます。
既知の問題
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例外テーブルの変更により、vmmon モジュールで Linux カーネル 3.5 がクラッシュする
例外テーブルの変更により、vmmon モジュールで Linux カーネル 3.5 がクラッシュします。Linux カーネル 3.5 で Workstation 9 をインストールすると、カーネルが機能を停止します。 -
USB3.0 と USB の互換性がある USB コントローラをホット リムーブしても、UI エントリが正しく削除されない
USB3.0 との互換性を使用するように Windows 8 仮想マシンが構成されている場合に、仮想マシンの実行中に USB コントローラを削除するか互換性を 3.0 から 2.0 に変更すると、操作に失敗することがあります。USB コントローラ(3.0 との互換性)を削除すると、USB コントローラが USB 1.1 との互換性に設定されることがあります。回避策: 仮想マシンを再起動します。あるいは、ゲスト OS でデバイス マネージャを開き、UHCI コントローラを無効にしてから再度有効にします。USB コントローラを削除する必要がある場合は、その後で USB コントローラ(1.1 との互換性)を削除します。
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Fedora 16 および 17 で ThinPrint が使用可能なプリンタを検出しない
ホストを起動した場合、ThinPrint が CUPS の前に起動しないことがあります。これは、ThinPrint を介してゲストが使用できるはずの、ホストで構成された新しいプリンタが見つからない可能性があることを示します。回避策: sudo systemctl restart vmware-tools-thinprint.serviceコマンドを使用して、ThinPrint を再起動します。
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仮想マシンのアップロードときに「アップロードに失敗しました: cURL エラー: ホスト名を解決できません」と表示される
仮想マシンをリモート vSphere サーバにアップロードする場合、完全修飾ドメイン名を使用してサーバに接続します。 -
変換された仮想マシンで、バージョン 9.0 ではなく 8.0 のハードウェアが使用される
「物理マシンの仮想化」機能を使用して Workstation 9 で作成した仮想マシンが、Workstation 8 の仮想マシン(古いバージョンのハードウェア)として作成されます。これは、想定どおりの動作です。回避策: 変換された仮想マシンのハードウェア バージョンをアップグレードするには、「この仮想マシンのアップグレード」リンクを使用します。
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UAS をゲストで使用している場合に、Iomega SSD Flash USB 3.0 ドライブに接続できない
Linux ゲストは、blacklist uas
を/etc/modprobe.d/blacklist.conf
ファイルに追加して、「uas」ドライバの代わりに「usb_storage」ドライバを USB デバイスで使用することをお勧めします。ほとんどのディストリビューション(Fedora、RHEL、Suse)では、カーネルで UAS ドライバが有効になりません。 -
フル スクリーンに切り替えると Workstation UI がクラッシュする
サムネイル ビューがオンになっているときに Ubuntu 12.04 Host Theme を変更した後でフル スクリーンに切り替えると、Workstation UI がクラッシュすることがあります。 -
CD-ROM ドライバが、vSphere へのアップロード後にドロップされる
SCSI コントローラ上の CD-ROM は、vSphere にアップロードされた仮想マシンからドロップされます。vSphere では、SCSI コントローラ上の CD-ROM をサポートしていません。 -
Ubuntu 12.04 ゲストでユニティが無効のように見える
Ubuntu ユニティ環境(Ubuntu 11.10 以降)で任意のゲストをパワーオンすると、ユニティ メニューとユニティ ツールバーが無効になっているように見えます。ユニティは、Compiz および Enlightenment のウィンドウ マネージャを使用しているゲストでも無効になります。 -
Windows で Workstation を使用している場合に、サード パーティの複数層サービス プロバイダ (LSP) で問題が発生する
特定のサード パーティの複数層サービス プロバイダ (LSP) が Windows にインストールされている場合、Workstation ユーザー インターフェイスの使用時に問題が発生することがあります。これらのサード パーティの LSP が存在していると、リモート ESXi ホストへの接続に失敗し、共有仮想マシン機能も失敗します。影響を受けるサード パーティの LSP は通常、USB 3G デバイスなどの特殊な目的を持つネットワーク カードに含まれています。