Anywhere Operations とは
Anywhere Operations は、資産や従業員の物理的な場所に関係なく、カスタマー サービス、仮想ワーカーや従業員のアクセス、従業員のサポートと意欲、製品の展開などに関するサポートを、どこからでも提供できる IT 部門を編成するためのモデルです。
したがって、Anywhere Operations は優れたサービスを実現できる基盤となっています。そうしたサービスには、チーム全体のコラボレーションと生産性、全員にとってセキュアなリモート アクセス、クラウドの知識向上、高度な自動化および自律化、その他の新しい機能が含まれます。新型コロナウイルス感染症の影響の結果として開始されたワークスタイルの変化を受けて、Anywhere Operations は市場で急速に勢いを増しています。

テレワークをサポートするだけでなく、場所を問わず業務を行える組織を実現

あらゆるプラットフォームであらゆるデバイスを管理および保護できる単一の包括的なソリューション
Anywhere Operations モデルのメリット
Anywhere Operations モデルについて説明するにあたって、重要な導入要件は次のとおりです。
- セキュアなリモート アクセス
厳密なセキュリティ プロトコルを実装することで、より安全なリモート アクセスが可能になり、サポート チームはどこからどこへでもトラブルシューティングを実行できます。セキュアなリモート アクセスがあれば、技術者はユーザーまたはクライアント デバイスをリモートで制御できるため、解決までの時間を短縮できるだけでなく、サポート組織全体に対する認識を向上させることができます。これは、サポート組織のサービスレベル アグリーメント(SLA)にも良い影響を与えることがあります。 - シームレスなカスタマー サポート
また、セキュアなリモート アクセスはより適切かつ迅速なカスタマー サポートの提供にも役立ちます。物理的な場所はもはや重要でなくなるため、サポート組織は世界中の複数のタイムゾーンにスタッフを配置して、サポート技術者による 24 時間対応を実現できます。それにより、広範囲に分散した顧客ベースをより適切にサポートできるようになります。繰り返しになりますが、これによって、ブランド ロイヤルティに大きなプラスの影響を与え、ネット プロモーター評価を向上することができます。 - コスト効率
Anywhere Operations では、オンプレミスのインフラストラクチャをメンテナンスおよびアップグレードする必要性が減るだけでなく、サポートのために出張する必要もなくなるなど、さまざまなコスト削減策が提供されます。このように、初期コストと継続的なコストの両方を削減できます。 - 従業員の支援
新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより、自宅や Starbucks などで仕事をする従業員がますます増えています。Anywhere Operations は場所を選ばない働き方を支援します。通勤が不要になることで、従業員は時間を管理しやすくなり、企業の収益に影響を与える問題の解決に注力できるようになります。また、雇用を決定する際に物理的な場所が決定要因とならないため、雇用主はグローバルな労働力を活用することができます。 - 生産性とコラボレーションの向上
従業員をリモート アクセスの面で支援することには、その他のメリットもあります。ビジネス コンピューティング リソースに時間や場所を問わずアクセスできるようにすることで、コラボレーションが促進され、チームの生産性が向上します。Gallup の作業環境の状況に関する報告によれば、エンゲージメント、コラボレーション、および生産性を向上させるためには、3〜4 日はオフサイトで働くことが理想的です。 - 展開の自動化
Anywhere Operations では、分散されたインフラストラクチャ全体で製品およびサービスの展開を自動的に管理することができます。自動化の強化を通じてリスクを低減し、新しいバージョンの迅速な反復によって、テスト チームや品質チームが早急にフィードバックを行うことができます。
Anywhere Operations を実装するうえでの課題とは
場所を問わないコンピューティングには多くのメリットがありますが、企業が克服しなければならない 2 つの大きなハードルがあります。
第一に、Anywhere Operations を導入することで、混乱を招き、既存環境の複雑さが増して、多額のコストが発生するという懸念があります。ビジネス プロセスや IT 手順の大幅な再構築にはリスクが伴いますが、そのリスクは実現されるメリットで相殺される以上のものです。
第二に、多くの組織は依然として個別の問題を解決するためのレガシー ツールを抱え込んでおり、システム、ネットワーク、クラウドへのアクセスを包括的には把握していません。しかし、多数のレガシー ツールを寄せ集めても、Anywhere Operations が企業全体にわたって提供する統合には遠く及びません。従来の単体製品ツールに固執していると、地理的に拡張したり、パートナー、顧客、ディストリビュータなどの新たな構成ユーザーをサポートしたりする組織の能力が著しく制限されます。従業員のアクセスと業務の遂行の両方を効率的にサポートできるレガシー ツールセットはありません。
企業が Anywhere Operations を導入する意義
Anywhere Operations がほぼあらゆるビジネスにどのような影響を与えるかは、新型コロナウイルス感染症のパンデミックだけを見てもわかります。2020 年には、ビジネスの運用方法とお客様とのやり取りの仕方が大きく変化しました。
現在の危機が通り過ぎても、従業員は職場に関する柔軟性を組織に求め続けるでしょう。企業は職場の大規模な見直しを行っており、今後テレワークが新しい標準となることは明らかです。
さらに顧客も、充実したデジタル体験などの優れたユーザー体験を取引企業に求めており、その傾向は今後も続くと考えられます。顧客は、マルチチャネルの仮想的な手段で、場所や時間を問わず、あらゆるデバイスを使用できることを期待しています。そのため、企業は強力なデジタル サービスを提供する必要があり、Anywhere Operations の基盤がますます重要になってきます。
今後は多くのシステムで、モダナイゼーションや変更が必要になります。たとえば、セルフサービスで注文ステータスをチェックできるように顧客向けモバイル アプリケーションを設計した場合、注文処理を行うバックエンド システムとモバイル アプリケーションを実行するシステムは、異なるデータセンターまたはクラウドにあったとしても通信できなければなりません。これを実現するには、オンプレミスのインフラストラクチャをクラウドに移行するか、異なるアプリケーションを API ベースでリンクするマイクロサービスを導入し、アプリケーション間でシームレスに通信できるようにする必要があります。
Anywhere Operations モデルとテレワークの違いとは
Anywhere Operations にはテレワークが含まれますが、Anywhere Operations モデルの対象となるのは在宅勤務の従業員だけに留まりません。Anywhere Operations には、次のような付加的なメリットがあります。
- 従業員や契約社員をサポートするだけに留まらず、従業員以外にも顧客やその他の構成員をアクセス モデルに追加できます。
- ユーザー、インフラストラクチャ、ネットワークをサイバー脅威にさらすことなく、チームがオンプレミスのようにコラボレーションや業務を効率的に行えるセキュアなリモート アクセスが提供されます。
- 場所を問わず連携しやすくするコラボレーション ツールが含まれています。
- コンピューターを使って新しい自動車を購入したり、スマートフォンで小切手を撮影して銀行に預金したりするなど、これまでは対面での取引に限定されていたやり取りや商取引ができます。
Anywhere Operations は、従業員だけに留まらず顧客も対象に含めることができるため、多様なプロセスや機能を自動化し、サイロ化されていた複数のアプリケーションの情報をまとめて、顧客とのさまざまなやり取りや取引をセルフサービスとして実現できます。
Anywhere Operations には分散されたインフラストラクチャを連結できる新しい管理ソリューションが含まれているため、従業員や顧客のチームが、アクセス元に関係なくどこからでも情報にアクセスできるようになります。このように、Anywhere Operations は、ビジネスの耐障害性と柔軟性を向上させ、より広い選択肢を雇用主と顧客の両方に提供し、地理的な境界を取り除きます。
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