従業員体験管理とは、採用からオンボーディング、退社までの各段階における従業員と組織の接触のあり方を意識的に制御することです。IT 部門と人事部門は、従業員の業績向上を支援する戦略を採用するうえで、重要な役割を担っています。
組織では有能なチームを形成し優秀な人材を維持するため、ポジティブな従業員体験を生み出すことを、お客様にポジティブな体験を提供することと同様に重視してきました。
従業員体験は、1 日や 1 週間の間に発生する複数の要因によって決定されます。たとえば、従業員がスーパーバイザーとともに効果的かつ有益なパフォーマンス レビューを行うことができた場合は、仕事への満足度が全体的に向上し、ポジティブな従業員体験が生まれます。しかし、新しい携帯電話を会社の E メール サーバに接続するのに苦労するようなことがあった場合は、そうした状況がネガティブな体験となり、それが失望や仕事への不満につながります。
組織では現在、総合的な従業員体験の検証を行っており、ポジティブなやり取りを促進し従業員にネガティブな意識を持たせないようにして、従業員エンゲージメントと満足度を確保するシステムを構築しようとしています。
従業員体験管理では、約束しているブランド価値を外部のお客様に伝えるにあたって、自社の従業員が非常に重要であると捉えています。
効果的な従業員体験管理とは、従来の人事管理よりもはるかに広い範囲を指しており、職務上の能力と個人的な能力をより優れた方法で開発し、従業員の体験を向上させることを意味します。
また、従業員体験管理は、意識と感情の両方を没入させることにより、組織のブランドに対する従業員のロイヤルティを引き出すことで、従業員を惹きつけ、従業員の意欲を高めます。
従業員体験管理が組織にとって重要であることには、いくつかのもっともな理由があります。昨今では、優秀な人材を惹きつけて維持することが、組織にとってますます困難になっています。そのため優れた従業員体験は、組織に長期的なメリットをもたらすものといえます。
従業員体験は、新しい従業員が組織に加わるずっと前から始まります。多くの求人情報サイトには、元スタッフによるレビューや評価が掲載されています。ネガティブな従業員体験に基づく否定的なレビューによって、優秀な人材が組織への応募を思いとどまる可能性があります。
積極的な従業員エンゲージメントは、企業に次のようなメリットをもたらします。
残念ながら、従業員体験管理において万能といえるアプローチはありません。組織はそれぞれ独自の目標を定義し、企業文化に合ったソリューションを見つける必要があります。
従業員体験マネージャは、前向きで充実した職場の雰囲気作りと維持に力を発揮します。また、報酬パッケージ、手当、福利厚生以外の問題にも対処することで、有能な従業員を呼び寄せて維持できる組織の構築に努めます。
従業員体験マネージャは、経営陣と一般従業員とを結びつけ、従業員からのフィードバックや組織の最適化に関する提案の重要性について、効果的なアドバイスを行います。
具体的な業務には、新しい従業員のオンボーディング、従業員が達成した業績を認めるためのインセンティブ プランの作成と適用、日常業務の監督などが含まれます。従業員体験マネージャは、ポジティブな従業員体験を促進するあらゆることを常に把握している必要があります。
デジタル トランスフォーメーションを活用することで、従業員のオンボーディングを強化できます。デジタル トランスフォーメーションは当然ながら、会社の製品、サービス、またはプロセス(データ管理、セキュリティ、ビジネス モビリティなど)の質を高めるうえで欠かせませんが、さらに従業員の意欲を引き出し、ロイヤルティを高めるうえでも重要となります。
新しい従業員のモバイル デバイスを会社のリソースに接続することで、その従業員はすぐに組織のチームに合流し、同僚とのネットワークを構築して、経営陣からの挨拶ビデオを視聴することができます。
2019 年、VMware では 6,400 人の従業員、人事担当者、および IT の意思決定者を対象に調査を実施しました。調査の結果、次のことが明らかになりました。
従業員はだれでもデジタルワークスペースを活用できます。デジタルワークスペースでは、データやアプリケーションなどのエンド ユーザー サービスを、あらゆるデバイスに効率的かつ費用対効果の高い方法で提供できます。デジタルワークスペースに必要なことは次のとおりです。
デジタルワークスペース ソリューションの活用を成功させるには、さまざまなデバイスや場所で行われる従業員のワークフローを管理することが不可欠です。デジタルワークスペース ソリューションを効果的に実装することで、従業員体験をパーソナライズし、生産性やビジネス成果を向上させることができます。
従業員体験の向上は、オンボーディングから始まり、組織での在職期間全体を通じて続きます。
また、従業員は仕事をする方法や場所を選択できるようになることを望んでいます。そのためには、柔軟な在宅勤務ポリシーを導入することや、個人所有デバイスの業務使用を許可することなどが必要になります。したがって、組織は企業リソースへのシームレスで安全なアクセスを実現するかどうか検討する必要があります。
チームの各メンバーは、それぞれが従業員体験に影響を与える存在であり、そうする責任も負っています。従業員体験の調査を頻繁に行うことで、組織が目標を定義、測定、達成するのに役立ちます。従業員の満足度について調査する場合は、従業員からの正直なフィードバックを促すため、匿名による調査が理想的です。
退職者面接は、組織に勤務していた期間に対する従業員の姿勢や考えをたずねる絶好の機会です。退職する従業員は、余波を受ける可能性が少ないため、より率直になる傾向があります。
従業員のフィードバック結果をすべての従業員および部門が共有することで、オープンな対話を促すことができます。組織のポリシー、ワークフロー、リソースに変更を加える場合は、必ずフィードバック調査を踏まえて検討する必要があります。それにより、チームメンバーは調査に費やした時間が無駄ではなく、自らのポジティブな体験につながったと感じることができます。
従業員体験管理ソフトウェアのメリットは直感的に理解できます。
多くの IT 管理者は、従業員体験管理ソフトウェアとして VMware の Workspace ONE® を選んでいます。このソフトウェアは、エンタープライズレベルの組織が長年にわたって使用してきたコンポーネントを基に統合エンドポイント管理を提供します。
このデジタルワークスペース プラットフォームは、これまでにないセキュリティと管理性を備えており、デバイスを問わずあらゆるアプリケーションを提供および管理することができます。エンドユーザーはプラットフォームにアクセスし、IT 部門の介入なしに、カタログから任意のアプリケーション(モバイル、Windows、クラウド、Web)をセルフサービスで選択できます。
Workspace ONE® では、サービスやアプリケーションをヘルプデスクにリクエストする必要がなく、従業員のオンボーディング プロセスも一変します。ワンタッチ サインオンで証明書を使用することで、エンドユーザーがアプリケーションにアクセスするたびに長々しい認証情報やユニバーサル パスワードを入力する必要がなくなります。またこれは、BYOD と会社所有のデバイスの両方で利用できます。
Workspace ONE® は、堅牢な認証、場所、ネットワーク、デバイス コンプライアンスに基づいてデバイスと ID の管理を組み合わせることで、組織の機密データを保護します。管理者は情報を選択して、さまざまなレベルのエンドユーザー アクセスに組織固有のポリシーを作成できます。
このプラットフォームでは、管理対象外のデバイスを簡単にロックアウトできるだけでなく、エンドユーザーのワークフロー エンドポイントのコンプライアンスも確保できます。また管理者はリアルタイムの可視性によって、デバイス、アプリケーション、コンソールのイベントを監視し、オプションでログ レポートを事前に定義したり、そのレポートをコンソールで表示したりもできます。
その他のセキュリティ上のメリットには、次のようなものが挙げられます。
デバイスを問わず従業員の生産性を向上させることができます。
ゼロトラスト セキュリティを実現するデジタルワークスペース プラットフォーム
今日の分散された環境で働く従業員を支える信頼の基盤を構築するソリューション