IT の自動化とは、繰り返し可能な作業を人に代わって実行し、手作業を減らすためのソフトウェアやシステムを構築するプロセスです。これまで人間の介在が必要だった手動プロセスを自動化することで、IT インフラストラクチャとアプリケーションの迅速なデリバリを実現します。IT の自動化により、手順、プロセス、ポリシーの設定と反復実行をソフトウェアで行うことで、IT スタッフの作業時間を節約し、より戦略的な作業に割り当てることができます。迅速かつ複雑なプロビジョニングを必要とする仮想ネットワークとクラウド サービスの台頭により、自動化は、IT チームがサービス デリバリのスピード、一貫性、セキュリティを高めるために欠かせない戦略になっています。

IT の自動化は、ビジネスを拡大し、コストを大幅に削減するとともに、IT スタッフを管理業務から解放して、戦略的な業務に注力できるようにする強力なツールです。データセンターとクラウドの幅広い運用業務を自動化することで、運用の迅速性が高まります。自動化により、エラーを削減しながら IT 環境をより迅速に拡張し、ビジネス ニーズへの即応性を高めることができます。十分に自動化された環境では、本番環境対応のリソースを提供するまでの時間を数週間から 1 日以内に短縮できます。

IT の自動化は、時間のかかる作業を人に代わって実行し、IT 運用やクラウド インフラストラクチャの規模拡大と複雑化に IT スタッフが対応できるようにします。現在の IT 環境では、サービスの高速化と規模拡大が著しく、大所帯の専任チームでも管理しきれなくなっています。IT を自動化することで、数千台のサーバをセットアップして構成するといった作業が珍しくない環境でも、チームによる運用が可能になります。

自動化の対象となり得る作業は無数にありますが、もっとも一般的なものは次のとおりです。

• クラウドの自動化
• リソースのプロビジョニング
• 構成
• ネットワーク管理
• セキュリティの自動化（監視と対応など）

IT の自動化ソフトウェアは、シンプルなものから複雑なものまで、IT の多様なタスクやプロセスを実行します。たとえば、ネットワークまたはセキュリティのテンプレートとブループリントの作成、アプリケーションの設定、本番環境対応のインフラストラクチャのプロビジョニングなどで自動化を活用できます。

IT の自動化で最近注目されている取り組みの 1 つに、人工知能と機械学習（これら 2 つは異なるテクノロジーですが、高い関連性を持ちます）を利用し、予測困難な状況に対応する高度なプロセスの構築があります。これらのテクノロジーはまだ初期段階にありますが、いずれ、学習しながら改善していく自動化プロセスが実現するかもしれません。自動化ツール自体も向上しており、IT スタッフがより迅速にワークフローを構築できるようになっています。

現在の複雑なテクノロジー環境を把握し、管理するために、どの企業でも IT の自動化の必要性がますます高まっています。具体的なメリットもいくつかあります。

• コスト削減：IT の自動化により、日常的な作業に費やす時間が減少します。また、生産性が向上し、人的ミスに関連するコストが減少するとともに、リソースの利用状況を最適化することでインフラストラクチャ コストも削減できます。
• 時間の節約：繰り返しが多く、時間のかかる作業を自動化することで、IT スタッフは、より多くの時間をより高度な業務に充てることができます。
• 運用の高速化：IT の自動化により、データセンターとクラウドの運用が大幅にスピードアップし、サービスやリソースを提供するまでの時間を数週間から数時間に短縮できます。
• エラーの削減：自動化することで、作業の一貫性を大規模に確保できます。これは手作業を個別に行う状況では実現できません。
• セキュリティの向上：プロセスの自動化により、機密情報の閲覧や保護に関わる人員を減らせるため、セキュリティ侵害の可能性が低くなります。また、IT の自動化を通じて、IT チームによるスムーズなインシデント レスポンスを支援することもできます。